ZX-12R

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Kawasaki is back.

kawasakiは「世界最速」に並々ならぬこだわりを持っているメーカーであり、1990年に登場した「ZZR1100」は長らく世界最速を誇った

1990 kawasaki 「 ZZR1100  」

しかしHONDA「CBR1100XX(詳細→CBR1100XX) 」やSUZUKI「GSX1300R hayabusa」にその座を奪われ、Kawasaki党の漢達からは、 新世代フラッグシップ開発を求める声が高まっていた

もちろんここまま黙って見ているkawasakiではない、世界最速の座を奪い返すための渾身のモデルが「ZX-12R」である

2000 kawasaki 「 ZX-12R 」

時は遡って1980年、バイクレースの最高峰「WGP」では、YAMAHA「YZR500」とSUZUKI「RGB500」の2台勢力が台頭

(HONDAも「NR500」で参戦していたが勝利の道は遠かった)

そこへkawasakiが「KR500」で割って入ろうとした、エンジンはYZRやRGBと同レイアウトのスクエア4を採用、しかしフレームは他社と大きく違った

軽量化と低重心化によるハンドリングの向上を狙った野心的なアルミ製のバックボーン型モノコックフレームとした

しかし当時の技術では接合部にボルトを多用する必要性から逆に重量増を招き、エンジンや電気系統もノウハウの絶対量の少なさからKR500は苦戦を強いられた

kawasaki  「 KR500 」

1982年、不本意な結果と共にkawasakiとKR500はGPから撤退した

しかし

10余年たって技術の進歩とともにバックボーンモノコックフレームはZX-12Rに受け継がれた

量産車初 となるこのフレーム、最大の特徴はエンジンの上を通るということ

増大する排気量にともなって車幅が大きくなると運動性が損なわれるのは必須

そこでエンジンの横を通るツインスパーフレームではなくバックボーンフレームとした

大きさもZZR1100に比べて2/3ほどとコンパクトになった

空洞となったフレームの内部にはエアクリーナーを設置した

また、エンジンもフレームの一部と考えリジットマウントし剛性と軽量を両立した

リジットマウントするにあたってエンジンの振動を消すために2軸2次バランサーを搭載、ZX-12Rのイメージと違ってとてもジェントルなエンジンになった

ただし隼より少ない排気量で隼より馬力を出そうとした結果

超ショートストロークエンジンで高回転型のリッターマシン になった

4000rpm以下はリッターマシンとは思えないほどスッカスカで6000rpmからはとてつもない出力を発揮するエンジン

さらにはメーカーがまだインジェクションの制御をうまく扱えていない時代、

ドンツキが大パワーを伴って襲ってくる

300km/hオーバーを目指したバイクであるZX-12Rは空力にも並々ならぬ力の入れよう

kawasaki重工「航空機部門」にも開発に参加し

風洞実験から車体デザインが決定された

サイドカウルの下のほうには小さいながらも羽まで付いている

砲弾型のミラーもダサいと言われたエアインテークもすべて理由があって採用されている

ZX-12RのCMも挑戦的だった

隣に駐車してあったポルシェがZX-12Rのあまりの迫力におもらしするというもの

そんなこんなで鳴り物入りでデビューしたZX-12R

初期型であるA型は、最高速を求めるあまりピーキーな出力特性となり

法定走行速度が最も苦手

超高速域でも安定性を取った車体は

常用速度域での旋回性に難あり

とか散々の言われようでとにかく扱いずらかった

肝心の世界最高の座はどうなったかというと

当然、GSX1300R隼 VS ZX-12R で盛り上がっていた

ZX-12Rが馬力で上回り、より軽量でアドバンテージがあると誰もが思っていたが、実際のところ明確に決着はついていない

バイクの個体差や天候、ライダーのスキルはもちろんのこと、300km/h規制の影響が大きい

というのは、ZX-12R販売の直後に欧州からバイクの最高速度を300km/hとする規制が始まった

(欧州でZX-12Rが実測で308km/hを記録して、これ以上は危険と判断されたようだ)

実質、最高速度争いにピリオドが打たれたわけである

後だしジャンケンであっても熟成不足のZX-12RとGSX1300R隼の対決は

結局 引き分け が打倒なところ

その後、熟成不足だったZX-12Rは、2年後マイナーチェンジで後期型となるB型を販売

140箇所の改良を施し、ハンドリングとエンジン特性の改善を行っている

2002 kawasaki 「 ZX-12R (B型) 」

A型では神経質だった面が大分マイルドになっており、扱いやすくなった

しかし、じゃじゃ馬を乗りこなすのが楽しいと

あえてA型に乗る猛者もいる

ZX-12R SPEC

年式2000年式
車両型式ZXT20A
原動機ZXT20E水冷4ストロークDOHC 4バルブ並列4気筒
排気量1199cc
内径×行程83×55.4mm
最大出力178PS/10,500rpm131kW/10,500rpm
最大トルク13.6kgf-m/7,500rpm133.4N・m/7,500rpm
乾燥重量207kg
車両重量210kg
全長2085mm
全幅740mm
全高1200mm
軸間距離1440mm
シート高820mm
タンク容量20L
変速機常時噛合式6段リターン
駆動機構チェーン
タイヤF 120/70ZR17R 200/50ZR17
ブレーキF ダブルディスクR ディスク
価格?円(税抜)

注:仕向地等で誤差あり

余談

世の中にはCGじゃなくてホントにトンネルの天井を走る車もあるようで

AMG SLS