since 2001
油冷という美学
21世紀となる2001年、HONDA「CB1300SF」やYAMAHA「XJR1300」などのビッグネイキッドが人気を博していた
SUZUKIはこれらに対抗するため、ビッグネイキッドNo1を目指して製作したのが「 GSX1400 」である
ネイキッドバイクには美しいエンジン造形美が不可欠
そのため冷却フィンが美しい油冷エンジンが採用された
まさに油冷の美学というべき選択をしたSUZUKIであった
空冷並みにコンパクトで、空冷より冷却効率に優れる油冷エンジンは
1985年、GSX-R750に市販車初採用された後もSUZUKI伝統のエンジンとして熟成を重ねてきた
1985 SUZUKI 「 GSX-R750 」
GSX1400のエンジンはBandit1200のエンジンをベースに新設計されたもの
ビッグネイキッドといえどスリムさは必要なので、1200と同じシリンダーピッチにしながら限界までボアを拡大し、79から81mmへ
ストロークも操舵性を悪化させない範囲で伸ばし、59から一気に68mmに
(ストロークが長いとクランクとクラッチが干渉してしまうのでエンジン前後長を伸ばさなければならない、結果ホイールベースも伸びて眠たいバイクになってしまう)
結論、1401ccのロングストロークエンジンとなり
12.8kgf-mの鬼トルクを発揮する
5000rpm以下なら同社のメガスポーツ「GSX1300Rハヤブサ」よりトルクが上
1999 SUZUKI 「GSX1300R Hayasuba」
乾燥重量も、排気量のわりに油冷エンジンのおかげで軽量な228kg
(比較としてHONDA「CB1300SF」が乾燥重量246kg)
そして他社ネイキッドが軒並5速なところをGSX1400は6速ミッション
他にも46mmの伸側・圧側減衰力フルアジャスタブルサス
6POTキャリパーブレーキ
ヒューエルインジェクションとSDTV(スズキ・デュアル・スロットル・バルブ)のデジタル制御
No1となるようなネイキッドバイクを目指しただけあってぬかりない装備が並ぶ
「 GSX 」というSUZUKIの歴史の籠った名称がそれを表している
販売初年度の目標販売台数が10000台とSUZUKIは売れると思っていた
しかしデザインがオーソドックス過ぎたのか思ったほど売れない
さらに2003年には最大の宿敵CB1300SFがフルモデルチェンジで一新
2003 HONDA 「CB1300SF(SC54)」
前モデルより20kgも軽量化を施し、GSX1400より軽量で爆発的人気モデルに
2005年、GSX1400もマイナーチェンジで1本だし極太マフラーに
さらに2kg軽量化で対抗するも年間販売台数は当初の目標の1/10の1000台まで縮小
2008年にワークスカラーのスペシャルエディションを最後に生産を終了した
伝統の油冷エンジンだったが、その価値を見出す人は市場では僅かであった
21世紀初の油冷エンジンは最後の油冷エンジンになってしまった
GSX1400 SPEC
年式 | 2001年式 |
---|---|
車両型式 | GY71A |
原動機 | Y701油冷 4ストロークDOHC 4バルブ直列4気筒 |
排気量 | 1401cc |
内径×行程 | 81.0×68.0mm |
最大出力 | 100PS/6,500rpm74kW/6,500rpm |
最大トルク | 12.8kgf-m/5,000rpm126N・m/5,000rpm |
乾燥重量 | 228kg |
車両重量 | ?kg |
全長 | 2160mm |
全幅 | 810mm |
全高 | 1140mm |
軸間距離 | 1520mm |
シート高 | 775mm |
タンク容量 | 22L |
変速機 | 常時噛合式6段リターン |
駆動機構 | チェーン |
タイヤ | F 120/70 ZR17R 190/50 ZR17 |
ブレーキ | F ダブルディスクR ディスク |
価格 | 998,000円(税抜) |
注:仕向地等で誤差あり